一人旅が好きな方にオススメ!3分18秒の逃走 in 天皇賞春
こんにちは、たかのりです。
今回は、私が昔からちょこちょこ見ちゃう動画について紹介します。
動画の何が良かったかというと、【逃げ切ってゴールインできた】ことです。
競馬好きな父親の影響で、たまにTVでレース観戦していた2004年のことです。20年近く経ちますが、今でもインパクトは健在です。
いろんなレースを見てきましたが、スーッと逃げての一人旅は軽快な気持ちになります。
気分よく走れば、力は最大限発揮できる!と感じ、長距離競馬の素晴らしさもわかる天皇賞春について説明します。
~目次~
■【天皇賞春】
■【みどころ】
■【あっ、馬の気持ちを本音で語ります】
■【現代に戻ります】
■【さいごに】
■【天皇賞春】
・京都競馬場芝3,200メートルを舞台に古馬最高の栄誉を懸けて争われる、長い伝統と歴史がある競走
・ディープインパクトやゴールドシップ、キタサンブラックなどが4歳以上のステイヤー日本一になる
■【みどころ】
・大波乱の勝利!戦法は大逃げ
2004年の天皇賞春は「4強」の構図を作り上げていた。
前年のクラシック2冠馬ネオユニヴァース、菊花賞馬のザッツザプレンティに加え、菊花賞・有馬記念で2着のリンカーン、ダービー2着・有馬記念3着のゼンノロブロイの明け4歳勢が揃って参戦したのである。
人気はその「4歳4強」が分け合い、イングランディーレは長距離重賞4勝の実績がありながら10番人気と低評価だった。
好スタートを切ったイングランディーレは直後から気合をつけられ、果敢に先頭を奪い後続17頭を引き連れる展開に。
1周目のゴール板を通過するとき、思い思いのポジションを進む4強をカメラはじっくりと映し出す。
ゼンノロブロイ、ザッツザプレンティ、リンカーン、そして1番後ろにつけた1番人気
ネオユニヴァースまでを映し終え、カメラが馬群を捉えようとしたその時だった。
「先頭の・・・」
実況が一瞬、言葉に詰まった。
なぜなら、先頭をいくイングランディーレのリードは既に20馬身はあろうかというまでに広がっていた。
だが、再びカメラは4強にフォーカスを合わせた。
このまま逃げ切るなど誰も想像していないのだから、当然である。
そのうち垂れて、リードがなくなる。
そのうち捕まり、馬群に沈む。
むしろ4強がいつ、どこで、どの馬が動くのか、その方が注目度が高かった。
■【あっ、馬の気持ちを本音で語ります】
ここで、イングランディーレの気持ちを代弁します。
僕、とても爽快なんです!天皇賞春の先頭を走れて。
日本一の長距離レースで大逃げなんて、誰も予想してなかったでしょう。
まっ、僕も初めてなんでドキドキしてますが。
横山典弘騎手の指示で動いてるんだよね。
長距離とスタミナ勝負なら自信があるんだ。
重賞4勝もしてるんだから、当然じゃない。
あれっ、もしかして僕の長所を理解してくれてる。
この大舞台で実力を発揮できるチャンス到来じゃん。
なんか、非常に気分よく走れるんだよね。
横山さんって技術が高いのかも。
後続の足音が全然聞こえないので、一安心。
残り800m標識を通過しました。
あれ、なんか低いざわめきが聞こえるような。
鞍上の指示に従って一生懸命走るのみ、油断大敵です。
気がつけば、外回りと内回りの合流地点で既に直線の半ばです。
もうすぐゴールだが、スタミナはまだ残っている。
一人旅はもうすぐ終わりで、少し寂しい部分もあります。
最高のレースができて、大満足です。
■【現代に戻ります】
すみません、つい自分事のように話してしまいました。
今でも馬と会話できたら、どんな感情があるんだろなと思います。
楽しく走っている馬もいれば、嫌々走っている馬もいるでしょう。
また、先輩にこんな強い馬がいるんだとかライバル同士で負けられないと闘志を燃やす馬もいるかもしれません。
結果的に、イングランディーレは7馬身差をつけて勝利を収めています。
天皇賞春の名レースとして、高い支持を得ています。
また、横山典弘騎手の神騎乗としても有名です。
有力各馬が牽制しあっている中、「大逃げ」という選択は決してその場の偶然ではなく、イングランディーレの持つ無尽蔵なスタミナとベテランジョッキーの豊富な経験値によって組み合った「強者を負かすための最善策」だったのです。
マラソンで同じ場面がありそうですね。
30キロまでは集団で走り、有力ランナーは牽制しながら様子をうかがいます。
勝負ポイントの35キロ以降、スパートして後続を大きく引き離す。
後ろの選手はついていけず、距離は広がる一方です。
先頭を走っているので、体力はキツいですが勝ちたいという気持ちで押し切ってしまいます。
■さいごに
「天皇賞馬」となったイングランディーレはその後、勝利することなく2006年に現役を引退。
GI勝利を含む芝・ダート重賞5勝という実績がありながら、勝ち鞍がスタミナの要求される長距離であったこと、また血統面でも種牡馬として日本競馬の適性が疑問視されて
種牡馬入りは破談となります。
ただ、ダート重賞を制していたことが評価され、ダート競馬が主流で、競馬文化のまだ若い韓国へ輸出され種牡馬生活をスタートすることが決定します。
産駒からは活躍する馬も現れ、2012年にチグミスンガンがコリアンダービーを勝ち、のちにイングランディーレの後継種牡馬となります。
今もなおイングランディーレの血は、韓国で繋がれています。
そのきっかけは天皇賞春の勝利であり、長距離への対応力とスタミナが、彼の馬生を大きく変えたのです。
私も【逃げ切ってゴールイン】に憧れがあるのかもしれません。