【考える野球の根幹】野村ノート(野村克也)

【プロフェッショナルとは当たり前のことを当たり前にやる】

野村克也氏が、選手・監督を経験して50年にわたる球界生活で得た原理原則をまとめた伝説のメモ。

知将ならではの野球理論と上司としての管理術が数々あり、野村イズムの全てが詰まった圧倒的な代表作。

 

~目次~

■野球を通しての新たな発見

■書籍の紹介文

■【要約】5原則について

■【注目】チームの大黒柱は捕手

■ふた言まとめ

■書籍情報

 

■野球を通しての新たな発見

私が野村ノートをハマった理由、それは野球に没頭した少年時代があり、大人になって理論やメンタルの重要性に触れることで刺激を受けたからです。

過去を振り返ると、7歳から15歳までは野球一筋でした。

小学校時代は2年間レギュラー出場して、市内大会の優勝も経験しました。

中学校時代は努力はしましたが試合出場の機会が恵まれず、挫折という苦い思い出を体感しました。

 

正直なところ、9年間は感覚的にプレーしていたと思います。

調子がいいときは「僕ってすごい」と感じ、不調なときは「まっ、いつかは良くなるでしょ」とこの繰り返しの連続でした。

また、監督やコーチから指導を受けましたが、自分の感性を信じて聞き流すこともありました。

 

しかし、野村ノートには野球理論が豊富です。

「野村野球=データ野球」

データとは観察のもととなるもので、試合の前までに用意するものです。

一方、情報は試合の中で拾うものであります。

この知識があれば、試合に対する準備やプレーの質が変化したと思います。

 

「思考が人生を決める」

「どの道を取ったか」「何を選んだか」という小さな選択肢が、周囲に影響を与え、その人間の評価につながり、最終的には人生を運命付けていくのです。

キャプテンに任命されたことで自然と責任感がつき、リーダーシップを発揮したこともあります。

練習しても上達せずに気持ちが落ちてしまい、サボってしまった経験もあります。

好不調の波を通して人間的な成長があり、今の自分が形成されました。

 

少年時代にハマったことがあれば、大人になるタイミングで振り返ると新たな発見があるのではないでしょうか。

 

■書籍の紹介文

「原理原則」。

どの世界でも仕事をするうえでの礎となります。

 

本書は、「心理のスポーツ」であるという野球の本質を実感でき、ルールを知らない人でも野球が好きになっちゃう一冊です。

 

プロ野球はセ・パ各6球団でおり、各チームが同じ戦力であるならば、確率的にはどのチームも6年に1回は優勝してもおかしくはない。

しかし現実は、連覇するチームもあれば、何年も優勝しないチームもあります。

 

その理由は野球という競技はいろんなスポーツの中でもとりわけ多くの不確定要素を含んでいるからです。

たとえば、けが。どの競技にもあることですが、エースがひとり故障しただけでチームの戦力は大きくダウンします。

またひとつのプレーのなかでミスがでたり、不運な当たりがあったりするだけで流れは一気に傾いてしまいます。

 

勢いやムード。士気高揚を結集することができれば、そんなにチーム力が備わっていなくても1年ぐらいなら突っ走ってしまう可能性もあります。

選手を叱ることなく、うまくおだてて自由気ままに気分よくプレーさせる、それでも優勝できてしまうのです。

だが何もしなくて、または選手をおだてて好き勝手にプレーさせておいて翌年も優勝争いができるとは限りません。

 

常に安定した成績を残すためには、やはり原理原則に基づく実践指導が何よりも大切であると説きます。

 

「原理原則」。

偉大なる常識を完全に消化して実践することは簡単ではないが、これを押さえておけば人生のなかでいかなる場面に遭遇しても、振り回されることもなく心は常に閑かなはずです。

 

■【要約】5原則について

(1)「人生」と「仕事」は常に連動してることを自覚せよ。

(2)  人生論が確立されていないかぎりはいい仕事はできないということを肝に銘じよ

(3)  野球をやるうえで重要なのは「目」「頭」「感性」の3つである

(4)  技術的能力の発揮には「コツ」「ツボ」「注意点」の3点が重要となる

(5)  無形の力をつけよ。形に出ない力を身につけることは極めて重要である

 

■【注目】チームの大黒柱は捕手

「優勝チームに名捕手あり」

今の時代はボールは飛び、球場は狭い。

加えて打者はよく練習して、経験を積むことで攻略の知識ももっている。

その中で投手が力だけで抑えるのは無理があり、それを助けるのが捕手の役目である。

 

野球というのは失敗のスポーツともいえます。

打ち損じやエラー、走塁ミスやサインの見落としなどまさにミスばっかりです。

その中で最も多いのがコントロールミスです。

 

ミスが数多く生じるからこそ、捕手は多少甘く入っても打者が一発で仕留められない、つまり狙われない配球をする必要があります。

そういう意味で捕手というのはネガティブでなくてはなりません。

しかし、多くの捕手がそうではなく打者の心理を無視して勝手にシナリオを描くケースが見られます。

 

配球というのは3つの組み立てに分けられます。

①打者中心

②投手中心

③状況中心

 

①は相手の弱点を突いたり、反応を見て洞察したりします。

データや前の打席の結果から考え、どうしたら相手を打ち取れるかを考えます。

②は相手打者と能力を比較して、投手の力がまさっていると判断したときの考えです。

③は点差やイニング、または走者の状況によって考える配球で、ピンチを切り抜けたい状況のときです。

 

要するに配球とは、3つの基本的組み立てを応用することなのだが、現実には投手中心のリードをしている捕手が多いです。

出し惜しみをして、配球が単純化して痛い目にあうこともあります。

つまり、①と②と③を上手に使い分けて、1球1球の応用問題を実践するのが「配球術」です。

 

ふだんから観察や洞察、あるいは考えるという行為はとても大切です。

いざという場面でその根拠となる理を探すことができるかもしれません。

世の中に存在するものにはすべて理があり、それを活かすのが勝利の近道といえるでしょう。

 

■ふた言まとめ

①原理原則を実践しよう

②捕手はチームの要です

 

■書籍情報